給食の方式について その①

相模原市の中学校給食は現在、選択制デリバリー方式で実施されています。

その方式が実は「不完全」であることはこちらのブログに書きました。

ふむふむ、なるほど…ところで、給食って他にどんな方式があるの?

と思われた方、いらっしゃいませんか?

このブログを読んでくださっている方のほとんどが、小学校と中学校で給食を食べた経験があると思います。それぞれに「思い出の給食」もあるでしょう。

その「思い出の給食」がどんな方式だったかは覚えていますか?

今回は、給食の方式について書いてみようと思います。


給食には4つの方式があります。

  1. 自校方式
    学校敷地内に給食室があり、自校の給食を調理します。
  2. センター方式
    共同調理場方式とも呼ばれます。複数の学校の給食を一括で調理し、食缶に入れられて温かいまま各学校へ配送されます。
  3. 親子方式
    調理場を持つ学校が、調理場を持たない近隣の学校の分の給食を調理します。「小さなセンター方式」とも呼ばれます。
  4. デリバリー方式
    業者弁当方式とも呼ばれます。民間業者が民間業者の施設で複数校の給食を調理します。ランチボックス形式でおかずは冷やされて配送されます。弁当併用(選択制)で実施している自治体が多いようです。

そして、さらに3つの区分があります。

完全給食…主食、おかず、牛乳の3点が揃った給食

補食給食…おかずと牛乳等、完全給食に満たない給食

ミルク給食…牛乳のみの給食 


方式ごとのコスト面での違い

方式については、それぞれにメリット・デメリットがあるのですが、今回はコスト面での違いをピックアップして比べてみようと思います。

自校方式は各学校に給食室を設け、調理員を配置しなければならないので、設備費、人件費、光熱費など多額の費用がかかります。設備の維持費、給食室の老朽化などによる建て替えも必要になるため、建て替え時にはセンターを利用したり、お弁当持参等の対応が必要になります。一番費用がかかる方式と言われています。 

親子方式・センター方式は複数校の給食を同時に調理するので、その分、人件費や光熱費を抑えることができます。配送にかかる費用はセンターの規模により異なります。親子方式の場合、近隣校で親子を組み合わせるため、配送コストは少なく済みそうです。学校には配膳室等の設備が必要になります。 

デリバリー方式では、調理員も設備も民間業者のものを使うためコストはかなり抑えられます。新たに調理場を用意する必要がないため、初期投資は配送用の容器(食缶またはランチボックス)と、各校の配膳室の整備程度で済ませることができます。そのため、中学校給食の実施を急いだ自治体が手っ取り早く給食を始めるために、デリバリー方式を選択しているようです。センター方式同様、配送費用がかかります。さらに、選択制の場合は事前注文や入金のシステムに年間数千万円という、給食そのものにではない費用が意外とかかっています。喫食率が低ければ、給食一食当たりにかかるコストは高くなります。(ハマ弁がそれで問題になっています)  


検索すると、多くの自治体が中学校給食を導入するために設けている検討委員会用に作られたと思われるコスト比較表を見つけることができます。 自治体の規模等により数字は大きく変わるのでここでの引用は控えますが、初期費用だけで検討している自治体と、10年スパン、20年スパン…と長期的に見て検討している自治体がある事がわかります。

相模原市は…現在、ネット検索で見つけることができるのは、デリバリー実施後の検討委員会の資料だけでした。 『今後の中学校給食のあり方について』の答申書に費用比較のようなものがありますが、これは既にデリバリーが整備されてからのものなので、参考程度にご覧ください。 


色々突っ込みたくなる点もあるのですが…それはまた追い追い。 

文字だけではなかなかわかりづらい点もあるかと思いますし私もまだまだ知らないことだらけなので、給食についての学習会の開催も考えています。

取り扱って欲しいテーマや、疑問などがありましたら、お気軽にメール等でご連絡ください。 


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