有機“的”栽培米が今年も提供されました(前編)

12月3日から数日に分けて一部の小学校で相模原市内産の「有機“的”栽培米」が給食で提供されました。

「有機“的”栽培米」が給食で提供されるのは今年度で3回目。

2022年度はお米の生産地である田名小学校のみが対象。

2023年度は中学校のデリバリー給食が対象。

そして2024年は16校の小学校で提供されました。

そのうちの10校が学校ブログに給食の写真等をアップしていましたので、今回はそちらを紹介しようと思います。

ご面倒かもしれませんが、ぜひ学校ブログのリンクを開いて見てみてください。


田名北小学校

  • ご飯
  • 牛乳
  • ぶりの幽庵焼き
  • 白菜の胡麻和え
  • 鶏肉と長ネギのすまし汁

取材受け入れ校となっていて、生産者の小川さんの講話を直接聞いた学校です。


旭小学校 

  • 冬野菜カレー
  • いかとハムのサラダ
  • みかん
  • 牛乳

子どもたちからは「いつもより美味しい」「お米がつやつや」などの声が聞かれ、食べ残しも少なかったそうです。さすが、カレー!

向陽小学校

  • ごはん
  • 牛乳
  • 家常豆腐(ジャージャン豆腐)
  • 中華風酢のもの

生産者さんからのメッセージ動画があり、給食中に児童が視聴したということをこの学校のページを見て知りました。


谷口台小学校

  • 冬野菜のカレーライス
  • 牛乳
  • フレンチサラダ

クラスでは「もちもちしてる!」「お米がぴかぴか」などの声が聞こえたそうです。

横山小学校

  • ごはん
  • 牛乳
  • ぶりの幽庵焼き
  • 白菜のごま和え
  • すまし汁
「今日のお米は、相模原の農家さんから無償で提供していただきました。」

おっと、これはかなりの誤情報です。

お米は国の予算で買っています。農家さんからの無償提供ではありません。

どこでそんな話になってしまったのでしょうか。

中央小学校

  • ごはん
  • ホキと大豆の甘辛あえ
  • わかめスープ
  • 牛乳

ぱくぱくメモにある「小川さんからとどきました」という表現は、「小川さんから無償提供された」と勘違いされても仕方がない表現だと感じます。

そして「小川米」・・・初めて見る銘柄です。

上鶴間小学校

  • 冬野菜のカレーライス
  • 牛乳
  • いかとハムのサラダ
  • みかん
「いつものご飯との違いを感じた子もいるようです。」

「いつものご飯よりも〇〇」ではなく「違い」と表現しています。

大野台小学校

  • ごはん
  • 牛乳
  • ちぐさたまご
  • キャベツのにびたし
  • とうふとじゃがいものみそしる

収穫後に田んぼの水を抜かない多年草栽培について触れています。


大島小学校

  • ごはん
  • ぶりのゆうあん焼き
  • 白菜のごまあえ
  • 鶏肉とねぎのすまし汁
  • 牛乳

小川さんが直接お米を届けに行かれたようです。

新宿小学校

  • ご飯
  • 牛乳
  • さばの味噌煮
  • 白菜の煮浸し
  • かきたま汁

「お米で炊いたご飯」とは。


どの学校もとても美味しそうですね。


各学校のブログを見て皆さんは何か気づいたことがありますか?

私がまず思ったのは「カレー多くない?」でした。

冬野菜のカレーの学校が3校。

せっかくの貴重なお米をカレーで食べるのって、なんとなくもったいない気がするのですが・・・。

そこで、「あれ?自校炊飯なのに白米じゃん」と気付きました。

自校炊飯をする場合、釜を一つ炊飯に使ってしまうためにおかず調理が難しくなるため、雑穀ご飯だったり混ぜご飯だったりすることが多いのです。

学校の調理器具や設備によって違うと思いますが、白ごはんはほとんど「委託ご飯」(業者が炊飯して学校へ運ぶご飯)であることが多いです。

そして「鰤の幽庵焼き」も3校。ふむふむ、スチコン(スチームコンベクションオーブン)か。

鯖の味噌煮も千種卵もスチコン調理。

なるほど、鍋を使わずに済む献立で白ごはんの提供を可能にしたのですね。

残るは中央小の「ホキと大豆の甘辛あえ」。これは鍋で調理するものだと思います。

いくつかの学校のホキと大豆の甘辛あえを含む献立を見てみたのですが、どの学校もその日の献立の主食はチャーハンや麦ごはんなどで、白ごはんではありませんでした。

中央小のこの日の献立のバランスがどうだったのかな、と心配になりますが、給食は1週間、1ヶ月毎日食べることでバランスが摂れるようになっていますので他の日でカバーしたのでしょう。


特別なお米であることを伝え、生産者さんからのメッセージ動画を見た子どもたちからは「つやつや」「ピカピカ」「もちもち」、そして「いつもよりおいしい」という嬉しい声。

作り手の顔が見えると美味しさは増しますね。

「有機“的”栽培米」を給食で提供するからには、教育的意義があるはずで、「美味しかった」で終わっていいものではないと思うのですが、子どもたちに何を伝えたいのか、何を学んで欲しいのか、提供校のブログからはいまいち読み取ることができませんでした。

では、相模原市は何を目的として「有機“的”栽培米」を給食に提供しているのでしょうか。

後編では、実際に相模原市に問い合わせたことなどを元にまとめてみます。

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