給食の対象外となっている子どもたち

相模原市の中学校の完全給食実施率は100%です。
これは、「すべての学校で【主食・おかず・牛乳】を提供できる状態が整っている」ということを意味します。
しかし実際は、デリバリー給食の提供可能数は60%程度。すべての生徒から注文が入ると対応できないのが現状です。

また、アレルギー対応をしていないために食べたくても食べられない生徒もいます。アレルギー対応がないということはアレルギーのある生徒は給食提供の対象外となっています。他にも宗教上の理由から給食を利用できない生徒もいます。
それなのに、完全給食実施率が100%なんておかしいのでは?と、ずっと疑問を持っています。

そして、アレルギーや宗教上の理由以外にも給食提供の対象外となっている中学生が存在することに最近気が付きました。

それは「相談指導教室に通う生徒」。
相模原市は学校に行きづらさを感じている子どものために、市内7ヶ所に相談指導教室を設けています。
学校の代わりに通う場所です。

相談指導教室の1日のスケジュールには「昼食」の時間があります。しかし、相談指導教室には給食がありません。相談指導教室に通う生徒はどの生徒もお弁当を持参することになっています。


実は私の娘は現在不登校。

相談指導教室の利用を検討した際にいただいた資料を見て初めてこのことに気がつきました。

そこで早速、給食の利用ができないのかカウンセラーさんに相談したところ、その場ですぐに回答はいただけなかったのですが、可能かどうか確認してくださるというお返事をいただきました。

しかし、私がカウンセラーさんに伝えたことによって私の娘だけが給食利用できるようになっても全体の解決にはなりません。私の娘に給食を食べさせたいのではなく、全ての中学生を給食提供の対象にしてほしいという願いからの要望です。

一人からの要望で市が動くことだとも思えなかったので、日頃お世話になっている五十嵐議員と6月議会で給食一本の一般質問をしてくださったこさわ議員にも要望・相談してみました。

お二方とも、すぐに動いてくださり、現時点では前向きな検討がなされていると感じています。

こさわ議員は9月8日の決算特別委員会こども文教分科会でも取り上げてくださいました。

こさわ議員への答弁と、五十嵐議員からの連絡で敷地内に相談指導教室のある学校に在籍している生徒もしくは、その相談指導教室に通う生徒は給食を利用することができるということがわかりました。

しかし、それはほんの一部の相談指導教室のみ。

給食提供の対象外となっている生徒がいることに変わりはありません。

教育相談センター所長は

給食を頼んでいながらも通室できないとなると、ご家庭の経済的負担あるいはストレスが嵩むということも考えられる。また、給食を予約したことが「通室したい」という気持ちから「通室しなければならない」という重圧に変わってしまう可能性もある。

と答弁しています。

おっしゃる通りだと思います。そう感じるご家庭やお子さんもいらっしゃるでしょう。

だけど、経済的な負担を心配するのであれば、給食無償化を真剣に考えればいいでしょう。

給食を頼んでいることが重圧になるのであれば、お弁当を作ってもらったことも重圧になるでしょう。

また、Twitter(現X)のフォロワーさんが教育委員会に問い合わせてくださったのですが、その時は「相談指導教室に給食調理施設がない」という回答だったそうです。えーと、相模原市には給食調理施設のある中学校は一つもありませんよ?


私たちは以前から、ミキサー食や胃ろう食、宗教食等にも対応した本当の意味での「全員喫食」の給食を求めています。それを求めることが必要であると気づいたのは、障害のあるお子さんと接した経験があったから。当事者が必要としていることを知っていたからです。

今回、自分が不登校の保護者という当事者になることで、まだまだ「全員」に見落としがあったことに気づきました。

2015年に文科省が調査した「教育支援センター(適応指導教室)に関する実態調査」結果によると、全体の約6%の教育支援センター(相談指導教室)で給食が実施されているそうです。

どこの自治体でどのような方式で実施しているのかまでは調べられていないのですが、実施している自治体があることはわかりました。

それなら、相模原もやりませんか?

今回、 こさわ議員と五十嵐議員が取り上げてくださったことにより、可能な相談指導教室から実施を始めるという形になると思いますが、どの教室に通うことになっても給食を選択する権利をどの子どもにも持たせられるようにしてほしいです。「平日7日前までの注文が必要」ということも答弁されていますが、当日注文ができるシステムへ変更をすることで、どの生徒も給食を利用しやすくなるのではないでしょうか。今後、教育委員会で検討が進むことを期待します。

本村市長の新しいポスターには「合言葉は すべての人に」と書かれています。本村市長は「誰一人取り残さない」という言葉もよく口にされていらっしゃいます。その思いを実現するのであれば相談指導教室に通っている子ども(もっと言うと相談指導教室に通っていない子どもも含めて)にも給食という教材を提供すべきではないかと考えます。

これから始まる全員喫食の中学校給食。センターからの配送先に相談指導教室も含まれることを望みます。


最後に。

相談指導教室を管轄している青少年相談センターは、不登校や登校渋りのほか、養育不安やいじめの問題等の相談も受け付けています。

辛いな、苦しいな、と思ったらひとりで悩まずに連絡をしてみてください。

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