学校給食改革本部会議の会議録が公開されました

10月28日、相模原市がホームページに公開した資料を見て私たちは憤りや悲しさ、不信感に包まれました。

市長と教育長を含む庁内組織の「学校給食改革本部会議」の会議録とその資料です。

会議が開かれたのは8月24日。会議録の公開になぜ2ヶ月も要したのか、甚だ不思議でなりません。(ちなみに会議時間は30分)

そして、その内容を見て、まず出た言葉が「ありえない」でした。

私たちが公募委員として参加している「学校給食あり方検討委員会」はこの改革本部会議の後、10月6日に開かれています。その時にはこの資料は出されませんでしたし、ホームページにも公開されていませんでした。

検討委員会では、給食の方式について諮問され、議論しています。センター方式が主軸であることは致し方がないことで、用地の検討は進めていることは承知していました。しかし、庁舎内で1ヶ月以上も前にここまで決まっていたのであれば、検討委員会でも知らせて欲しかったと感じ、とてもショックを受けました。


さて、心情の報告はこの程度にして、資料と会議録の内容に目を向けようと思います。

学校給食課から説明がされたという資料にはこちらの図が含まれていました。

給食センター建設候補地について、ここまで具体的な検討が進んでいることに驚きました。なぜこれを検討委員会で提示しなかったのでしょうか。「このような建設候補地がある」と示されることで、ではそこから遠い学校には本当に2時間以内喫食を守った配送が可能なのか、市が引いたこの赤線はこの位置でいいのか、などの議論もできたのではないかと思います。とはいえ、方式について検討をしているというのに、すでに食数を踏まえての候補地探しがここまで具体的に進んでいるというのも、検討委員会の役割は一体何なのか、という話にもなります。その疑問を出させないためにこの資料を提示しなかったのではないかと疑ってしまいます。


では、この説明を受けての会議録は…。

まず、会議録の一行目。こちら↓の総括表について市長からの質問です。

実施方式の総括表について、デリバリー方式の全員喫食の区分が「△」となっているが、デリバリー方式でも全員喫食ができないわけではないので、「○」ではないのか。
おっと‥ちょっとびっくりな質問です。8月のこの辺りといえば、横浜市がデリバリー方式での全員喫食の方針を発表した頃。何か耳に挟んでいたのかもしれませんが、市長が相模原でもそれができると思っていた可能性があるということに非常に驚きます。

そしてその質問に対する学校給食課の回答がこちら↓

この部分については第2回学校給食あり方検討委員会でも議論があったところだが、提供能力が十分な民間調理事業者の長期的な確保が難しいため、全員喫食を「△」としたものである。

議論になっていましたっけ?念の為、第二回の会議録をもう一度見てみましたが、そのような議論はされていません。念には念をと、第一回の会議録も見直しましたが、やはりそのような議論はされていません。議論していないことを議論していたかのように答弁するということがわかり、とても不信感を持ちました。

ちなみに、相模原市がデリバリー方式での全員喫食はやらないと決めた理由は、アンケートの結果で「デリバリー給食で学んだことは?」の質問に対して「特にない」という回答がトップだったためです。


そして会議後半。

(財政局長)新しい学校給食センターの場所は、最終的にいつ決定するのか。
(学校給食・規模適正化担当部長)新しい学校給食センター予定地をいつ決定し、公表していくのかについては、慎重に決めていきたい。
(市長)地域住民と丁寧に対話して進めていく必要がある。

これも市民としては結構ショックな内容です。

まず、検討委員会ではセンター主軸で検討を進めてはいますが、「可能な学校においては自校または親子方式を検討してほしい」という意見は第二回の委員会でも出しています。そのことには一切触れず、相模原市はセンターの場所を決定しようとしています。検討委員会は何のために開かれているのでしょうか?そして、建設地を最終的に決定し、公表する時期については「慎重に決めていく」とのこと。何に対して慎重に決めるのでしょうか?もうほぼ決まっているかのように進めておいて、検討委員にも提示せず、公表は慎重に、ってどういうことでしょうか。そしてさらに市長は「地域住民と丁寧に対話して進めていく必要がある」と。方式を決める時点から丁寧な対話は必要なはずです。自校方式の給食の実施が可能とされた2校ないしは5校の生徒や保護者にどちらの給食がいいのかを聞きもせず、公表の時期や建設にあたっての説明の時だけ丁寧に対話して進めるとは、市民を蔑ろにしすぎではないでしょうか?

そして、この資料で最も有力な候補地とされている旧東清掃事業所については、気になる記事が。

市の発表資料に詳しく記載がありました。

「鉛及びその化合物の土壌含有量」が基準不適合だそうです。その後の調査がどう進んでいて、給食センター建設にどう影響があるのかはわかりませんが、鉛が検出された場所が果たして給食センター建設地として適しているのか、土壌汚染については全く詳しくないのでわからないのですが、正直不安を感じます。そして、調査結果によっては給食センター建設は不可能となる可能性もあります。その場合、南側の中学校全ての給食開始が遅れます。それでも「早期実現」が可能といえるのでしょうか?


私たちは、自校方式の可否の調査結果を詳しく聞くために、10月26日と27日に学校給食課の窓口に足を運んでいました。そこでの会話の中でもセンター建設候補地について質問をしましたが、ここまで検討が進んでいると言うことは話してくれませんでした。

また、調査結果を詳しく聞くことにより、委託業者は「自校方式を実施するための調査」をしていたことがわかりました。自校方式実施のために「倉庫を撤去する必要がある」「門を造成する必要がある」等の「こうすればできる」と言う調査内容でした。しかし、相模原市はそれを「こうしないとできない」と言い換え、自校方式が可能な学校は2校と報告しているということがわかりました。


何度も言っていますが、私たちは「何がなんでも自校方式!」と言っている訳ではありません。

さまざまなリスクやデメリット等を並べて比較検討した上で、「子どもたちにふさわしい給食」について議論したいと考えています。

明日は中間答申を出す前、最後の検討委員会が開かれます。「相模原市にふさわしい給食」が少しでも「子どもたちにふさわしい給食」となるよう、意見を述べたいと思います。

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