「完全給食」やっぱり「不完全給食」?!

横浜市の新しい市長、山中市長の議会答弁が注目されています。
同時に、その答弁を取り上げた9月11日の神奈川新聞の記事がさまざまな議論を生んでいます。
混乱の発端となっているのは「完全給食」という言葉。

「完全給食、実は不完全?」という記事を会の活動を開始してすぐに書いたほど、私たちもこの「完全給食」という言葉には以前から疑問や違和感を持っていました。

ですので、多くの方が認識を誤ってしまうのはよくわかります。
しかし誤認識のままでは、行政などに給食についての要望を出しても、正確に伝わらず、職員さんの貴重な時間を奪い、市民は徒労感を持つことになります。
8月に行われた横浜市長選を眺めていて、その点が非常に気になっていましたので、Twitterのアンケート機能を使って多くの方がどのような認識を持っているのか調べてみました。

その結果と、正確な認識が必要であると言うことを書いた記事がこちらになります↓


横浜市は昨年度まで実施していた「ハマ弁」を給食に位置づける(この言い方もいまいちよくわかりませんが、分かりやすく言うと「ハマ弁を廃止した」ということでしょう)ことにより、主食・おかず・牛乳の揃った「完全給食」を実施しています。もうある「完全給食」の「実施検討」とはどういうこと?と見出しを見て疑問に感じました。

しかし、山中市長は答弁で「完全給食」とは発言していないということがわかりました。

どうやら、神奈川新聞が「全員喫食」「完全実施」などの言葉をまとめるために「完全給食」という言葉を使ってしまったのではないかと推察します。

改めて確認しておきますが、完全給食とは主食・おかず・牛乳が揃った給食のことを指します。これは、文科省が定義しているものです。その定義をベースにしていないと混乱が起きると私たちは横浜市長選の最中からブログやTwitterで発信していましたが、新市長の初登壇の日に早速混乱が起きる結果に。

中学校給食の改善を望んでいた皆さんは「完全給食」という言葉に喜びの声をあげています。すぐにでも全ての学校で温かい給食が実施されることが決まったかのように。「中1の娘に間に合うかな?」と期待の声も見られました。しかし、現実はというと…

市長が変わってからセンター方式の給食をスピード実施した川崎市も検討を開始してから実施まで3年半かかっています。川崎市よりも大きな自治体である横浜市は、より長期の検討期間等が必要になるのではないでしょうか。(どうやら自民党会派の議員さん方は全員喫食の温かい給食には予算の面などから強い反対の意思を表明しているようにも見えますので、そこも検討が長引く要因になるのではないかと)


神奈川新聞の報道の後、「完全給食」の認識について、ツイッターでは驚くほどの数の誤認識や誤用が見られました。「自校方式による給食のことを“完全給食”と呼ぶ」と認識している方もいらっしゃることがわかりました。そうなると、4校を除きセンター方式での給食を実施している川崎市は完全給食を実施していないということになります。「自校方式」と言えば済む場で「完全給食」という言葉を使う必要はありません。


子どもたちが喜ぶ温かい給食を望んでいるのは同じ気持ちです。私たちと一緒に給食について学び、理解し、行動することで実現を目指しませんか?


「文科省の定義を持ち出さないでください」とおっしゃっている方もいます。わかります。すごく、わかります。文科省の定義するものを完全給食だなんて、私たちも呼びたくはないです。しかし、自分の考えるもの(理想とするもの)とは違うからと、独自の定義を持ち出していては話が噛み合わなくなります。


神奈川新聞の書き方は正確ではない上に混乱を招くものでありましたので、訂正記事の依頼を出しました。

きちんと言葉を理解し、正しく使わないと同じ目標を持つもの同士の対立を引き起こしてしまうこともあります。(今回の件は目的が新市長批判でもあるのがまたため息しか出ないのですが)

しかし、この「自校方式のみを完全給食と呼ぶ」という考えをお持ちの方がいると知ることができた事で、またある疑問がわきました。

「もしかして、どの方式で温かい給食が実施できるのかって意外と知られてない?」と。

そこでまたツイッターアンケートを実施してみました。

このアンケートの結果と回答についてはまた別の記事にしようと思います。

みなさんは、自分が望んでいる給食を正確に表現することができますか?



ちなみに、私たちも色々調べたりはしていますが、給食や政治の専門家ではなく、何度もお伝えしているようにフツーのカーチャンです。誤認識や確認不足の発信をしてしまうこともあります。その時にはどうぞ遠慮なくご指摘ください。


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