横浜市の新市長の給食に関する発言を各種メディアが取り上げていますが、ここに記事をざざっと並べてみます。
9月10日の答弁後に話題になった「完全給食」という言葉。
前回のブログにも書きましたが、山中市長は実際には「完全給食」という言葉を発してはいませんでした。
しかし、いくつかの言葉を合わせた造語のつもりなのか、複数のメディアが「完全給食」という言葉を用いてしまいました。
「完全給食」という言葉をどういう意味で使っているのかも、各社各様ですが、全員喫食の給食の事を「完全給食」と読んでいる機関が多かったように感じています。
ですので、16日の山中市長の「デリバリー給食を全員喫食にする」とも受け止められる答弁を受けて、「横浜市が現在実施している選択制デリバリー方式のランチボックス型の給食を選択制ではなく全員喫食にすることを『完全給食』とは言わない!!」と言うような意見も見られるようになりました。
さて。
いつもこのブログを読んでくださっている方には耳タコだとは思いますが、ここでまた「完全給食」の定義を確認しておきましょう。
文部科学省の【学校給食実施状況等調査-用語の解説】のページには下記のように記されています。
完全給食
給食内容がパン又は米飯(これらに準ずる小麦粉食品、米加工食品その他の食品を含む。)、ミルク及びおかずである給食
主食・牛乳・おかずの3点が揃えば「完全給食」です。
選択制でクラスの数人しか食べていなくても、工場で作られてお弁当箱に入って冷やされて届いても、食べる時間が短くて残食が多くても、とにかく主食・牛乳・おかずが揃えば「完全給食」なのです。つまり、現在横浜市で実施している中学校給食は文科省的には「完全給食」なのです。
この1ヶ月ほど、私たちは何度となくこの事実を発信してきました。
しかし、どうしても認めたくない方も少なくないのが現状。わかります。私たちも相模原市で現在実施されている喫食率が40%程度、上限60%の生徒の分しか用意できない中学校給食が「完全」だなんて思いたくありません。そんなもの、不完全給食です。
でも、どんなに認めたくなくても、行政的には、主食と牛乳とおかずが揃っていれば「完全給食」となります。以前も書きましたが「完全給食を実施してください」と行政に要求しても「完全給食を実施しています」と回答され、市民も職員も無駄な時間を使う事になります。
ですから、根本的なところの改善が必要なのです。
文科省が定めている定義を変える事を求めませんか?
そこで、今月の #相模原給食アクション。
文科省に意見を送ろう。
送っていただきたいのは「完全給食」の定義を見直して欲しい、という内容。
以前、「農水省食育パブコメアクション」を実施した時にも、「完全給食」の定義を改めて欲しいと言うことを多くの方が意見として出してくださいました。その数なんと100件!しかし、農水省の皆さんにはうまく伝わらず。「選択制ではなく全員で同じものを食べるようにしてほしい」と訴えていると受け止められてしまいました。ここでいう「選択制」とは、船橋市などが実施しているA献立・B献立から好きな方を選ぶ事ができる給食のことでした。給食と家庭弁当との選択制ではなく。
パブリックコメントというのは、国や自治体が策定しようとしていることなどについて、国民や市民に意見を聞くもの。基本的に内容が大きく変わる事はありません。今回は、パブリックコメントではなく自由意見。
しかも、横浜市長の発言を報じたメディアの多くも定義を理解していないことが分かったところです。このような混乱を起こしているのは、定義に問題があるからだと私たちは考えています。
- 現在の完全給食の定義では分かり辛い
- 全員分用意できないのなら「完全」とは言えない
- 「完全給食」ではなく、誰が見てもわかりやすい言葉に変えて欲しい
- 選択制デリバリー方式の給食を完全給食とは認めないという文言を追加して欲しい
- 「おかず」に「適温の」という言葉を付け足して欲しい
今回の横浜の件で、
「え?完全給食ってそういうことだったの!?◯◯が完全給食だと思ってた!」
と思った方はその思いを文科省に伝えてください。
文科省への意見はホームページから送れます。
定義が変わる事で、現在横浜市や相模原市で実施されている給食は「完全給食」と呼ぶ事ができなくなるかもしれません。それにより、神奈川県の完全給食実施率は下がるかもしれません。でも、問題の本質が明らかになるでしょう。
そして、文科省へ意見を出すついでに、デリバリー給食を実施している自治体へも意見を送ってみてください。
「小学校と同じような、みんなで食べる温かい給食を中学校でも食べられるようにしてください」と。
相模原市の意見提出先はこちら↓
アクションをしたら、#相模原給食アクション のタグを付けて、SNSへの投稿をお忘れなく!あなたのアクションを見た方もアクションを起こすキッカケになるかもしれません。
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