2019年 3月定例会議 代表質問
◆大沢洋子議員
子供の貧困率については、国民生活基礎調査において、7人に1人が相対的貧困の状況にあるといわれているが、先月公表された子どもの生活実態に関するアンケート調査の結果を踏まえた本市における子供の貧困の現状と課題について、どのように捉えているのか見解を伺う。
◎加山市長
子供の貧困は、子供の生活や成長、学力への影響が生じるとともに、成人した後、再び貧困に陥る、いわゆる貧困の連鎖につながる深刻な問題であると認識している。こうした悪循環を断ち切るためには、家庭の環境に左右されない学びの機会や安心できる居場所の確保、生活習慣の見直し、保護者への支援など、多岐にわたる対策が求められている。今後はひとり親家庭の自立支援などの既存事業の拡充を図るとともに、学習支援やこども食堂の活動支援など、新たな施策に取り組んでまいりたいと考えている。
◆大沢洋子議員
子供の貧困や子育て支援などを背景に、学校給食に注目した自治体の間で給食費の無償化の動きが広まり、昨年、初めて文部科学省が行った全国の自治体を対象とした調査では、平成28年度までに約60の自治体が給食費の無償化を実施しているとのことだった。本市の小学校の学校給食の無償化についての考え方を伺う。
◎教育長
本市では経済状況が厳しい御家庭の児童生徒に対して、生活保護や就学援助制度により保護者負担分を援助するなど、必要な支援を講じているところ。今後、さらなる給食費の無償化の拡大については、引き続き国等の動向を注視してまいりたいと考えている。
◆大沢洋子議員
給食費無料化について、意見、要望を申し上げる。
答弁であったように、子供の貧困は子供の生活や成長、学力へ影響が生じるとともに、成人した後に再び貧困に陥る、貧困の連鎖が大きな問題になっている。やはり貧困により子供時代に成長に必要な栄養をとれないことによる学力への影響がこうした問題を一層悪化させていると考えられている。また、他の自治体では子供たちに朝食を出すといった取り組みも始めるなど、給食だけではなく、一歩進んだことも検討している。ぜひ本市としても幅の広い視野で御検討していただきたいと考えているので、これは要望とさせていただく。
代表質問ですので会派の考えなのかもしれませんが、「子どもの貧困による食格差からの学力の影響」を懸念した要望をされています。(全国学力テストの結果があまりよくないことが話題になっていた頃でもあります)
さて。「子どもの貧困による食格差からの学力の影響」と、給食無償化にはどのような繋がりがあるのでしょうか。
相模原市の学校給食は、教育長の答弁にある通り、就学援助の対象になっており、困窮した家庭は給食を無償で食べることができます。もちろん、そのためには申請が必要であり、審査によって申請が通らないことや家庭による事情もあるので、最初から全児童生徒が無償であれば、それに越したことはありません。
大沢議員が問題としているのは「子ども時代に成長に必要な栄養を摂れないこと」ではないかと思います。
それなら、中学生にも全員喫食の給食を提供することが先ではないかと思いませんか?
私たちは以前、給食・コンビニ弁当・家庭弁当の栄養価を比較するチャートを作ったことがあるのですが、完璧なバランスを示したのは、給食だけでした。
困窮していないけれど、保護者の多忙等の理由でお弁当を作れず、かといってデリバリー給食は食べたくない、という状況の中学生が、コンビニの菓子パンやおにぎりだけで毎日の昼食を済ませていたら、「子ども時代に成長に必要な栄養を摂れないこと」に該当してしまいます。(この質問がされるよりも前、2018年の市の調査で昼食欠食の生徒の存在や、おにぎりや菓子パンだけで済ませている生徒の数も明らかになっています)
2018年の今日、市議会だよりに掲載された長谷川議員の中学校給食に関する質問。
— 相模原の学校給食をよくする会 (@sagami9449) January 31, 2021
昼食欠食の生徒の存在が明らかにされました。#相模原市#中学校給食 pic.twitter.com/aIPKHGBUEs
言うまでもなく、学校給食には「中学校給食」も含まれます。給食無償化は全員が食べている小学校の給食だけでよいのでしょうか。小学校の給食だけを無償にしても、根本的な問題の解決にはなりません。
3回に分けた議廻奇譚。大沢議員は、給食に関する質問や要望を多角的な視点で数多くしていらっしゃいますが、そのほとんどが「小学校給食」のみを指しての内容なのではないかと感じました。
小学校給食の充実ももちろんとても大事なことではありますが(私たちの会の名前が中学校給食に限定していないのは、小学校の給食に関してもよくする必要があると考えているからです)、同時に中学生にも「必要な栄養を摂ることが出来る給食」の必要性も考えていただき、市民の声を集めて議会に届けていただきたいと思いました。
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