相模原市は現在、2棟の給食センターを建設中ですが、そのうちのひとつ(仮称)南部学校給食センターの建設地から焼却灰と見られる廃棄物が確認されました。
それにより、南部センターから配送予定だった中学校の給食開始が半年以上の遅れることになりそうです。
新聞では神奈川新聞と朝日新聞が報じています。(8月28日タウンニュースの記事を追加しました)
南部学校給食センターの建設の遅れにより、給食開始が遅れるのは以下の17校。
大野北、共和、緑が丘、弥栄、由野台、
相陽、大野南、相模台、上鶴間、麻溝台、
大野台、相武台、谷口、新町、若草、
鵜野森、東林
半年遅れるということは、現在の中学2年生の卒業には間に合わなくなるということです。
相模原市は中学校給食の「早期実現」のために市内全校をセンター方式による給食にすると決めたはずです。
それなのに、現在デリバリー給食を実施している中学校30校の半分以上を占める17校で開始が遅れる、という結果を産んだのはなぜなのでしょうか。
私たちは学校給食あり方検討委員会で、「センター方式主軸で構わないが可能な学校では自校方式または親子方式を実施してほしい。センター方式であるなら、なるべく小さなセンターにしてほしい」ということを繰り返し伝えていました。
しかし、委員長と事務局(教育委員会)はほとんど聞く耳を持たず、センター方式で推進するという答申を出すことになりました。
そして建設地となっている旧東清掃事業所からは検討委員会開催期間に基準の10倍以上もの鉛が検出されています。
建設地決定のプロセスにも不信感を持っていたことは当時のブログにも記しています。
朝日新聞の三木記者のXによると「作れる場所はここしかなかった」と市は見解を示しているそうですが、今回開始が遅れる学校の中で相模台中、麻溝台中、共和中、若草中は自校方式の給食室建設の可能性がある学校でした。作れる場所は学校敷地内にあることがお金をかけた調査でわかっていたはずです。
可能な学校では自校方式を実施していれば、、、
自校方式が不可能な学校でもなるべく小さな給食センターにして配送校を3〜5校程度に分けていれば、影響を受ける子どもや家庭の数は少なくできたのに、、、
と思うと悔しいやら憤るやら。
朝日新聞の記事に市長が定例会見で「中学2年の生徒には、中3の12月から温かい給食が食べられるよと言ってきた。おわびするしかない」と述べたとあります。会見の質疑部分の動画がまだアップされていないので実際どのような質問にどう答えたのかはわかりませんが、そもそも温かい給食の実施は本村市長の1期目の公約だったのですから、すでに4年遅れているんです。4年間の間に卒業して行った子どもたちにはどのような思いを持っているのでしょうか。
はっきり言って、土地が土地だけに「何か出てくるのではないか」ということは予測できたのではないかと思うのです。鉛検出の時点で候補地から外すべきだったのではないかとも思います。
楽観視していたのか、見通しが甘かったのかはわかりません。
あり方検討委員会で市が何度も言っていた「早期実現」とは一体何だったのでしょうか。
検討委員会や審議会とは一体何のためにあるのでしょうか。
疑問や不信感が後を絶ちません。
8月28日追記
タウンニュースの記事に、学校給食課のコメントが記載されていたので、それを受けての感想を追記します。
市学校給食課の担当者は「延期は大変残念だが、安心安全な給食という点が重要。安心して食べてもらえるよう、丁寧に取り組んでいきたい」と話している。
こんなに腹立たしいコメントがよく言えたもんだなと呆れ返っています。
安心安全のための議論をおろそかにして「センターありき」の答申を出させ、大規模センター2棟という進め方を変えようとしなかった市の発言としてあまりにも他人事ではないでしょうか。
前述の通り、「何か出るだろう」というのは予測できたことなので、それを避けることはできたはずです。私たち市民方の不安や心配を無視し、突き進んだ結果、子どもたちの教育環境の整備に遅れが出ているというのにどの立場で「残念」と言っているのでしょうか。廃棄物が出てきちゃって残念ということでしょうか?「残念」というお気持ち表明よりも子どもたちへの謝罪が先に必要ではないですか?
検討員会では丁寧な議論をしなかった学校給食課が「丁寧に取り組んでいきたい」と言っても信用できるわけがありません。
「早期実現」のために尽力していたであろう検討委員会の委員長、中央大学の川崎一泰氏のお気持ちも伺いたいですね。
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