牛乳パックのリサイクルが始まります

毎月1回、相模原市学校給食課が発行している「学校給食ニュース」、ご覧になっていますか?

5月30日に発行された第12号の内容は2点。

「牛乳パックのリサイクルについて」と「はやぶさ給食の注文について」。

今回は牛乳パックのリサイクルについて取り上げようと思います。


学校給食ニュースを見てまず「牛乳パックって今までリサイクルしてなかったの?」と思いました。ストローレスパックにするくらいだから、パックのリサイクルもしているとばかり思っていました。

小学校は「再開」とあるので、おそらくコロナで中止にしたものを再開することになったのでしょう。中学校は「開始」とのことなので、これまでどうしてたの?そのまま捨ててたの?と、リサイクルしているものだと思っていたために持たなかった疑問が今になって生じました。


学校給食ニュースを見てから数時間後。

子どもの通う中学校から一斉メールが来ました。


保護者の皆様
相模原市の方針「相模原市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等の推進に関わる条例第6条」に基づく再資源化の取り組みにより、6月3日(月)より牛乳パックの洗浄や乾燥を以下の通り再開することとなりました。
1.相模原市内すべての小・中学校で行われます。
2.本校の場合は、1,2年生及び支援級については6月3日より実施します。3年生についてはアレルギー対応等のため実施いたしません。
3.給食の際、各自で牛乳パックを開き、水切りかごに入れたものを給食係または給食当番が洗うという作業になります。洗浄に関してはなるべく手に触れないように器具を使って行います。
4.牛乳アレルギーをお持ちのお子様に対しては、できる限りの配慮をしていきたいと考えております。相模原市の取り組みの一環として、ご理解とご協力をお願い致します。
まずは事前に保護者へ連絡をくれるという丁寧な対応に感謝。
そして、良い癖なのか悪い癖なのか、内容についてすぐに疑問を持ってしまいます。

さらに、良い癖なのか悪い癖なのか、すぐにXに投稿してしまいます。

まず、「相模原市廃棄物の減量化、資源化及び適正処理等の推進に関わる条例」の確認。第6条に基づく取り組みとのことなので、6条をそのまま掲載します。

(事業者が行う廃棄物の減量化及び資源化)
第6条 事業者は、資源化が可能な物の分別の徹底等の資源化を推進することにより、事業系廃棄物の減量化及び資源化に努めなければならない。
2 事業者は、物の製造、加工、販売等に際して、長期間使用することが可能な製品の開発、製品の修理及び回収の体制の確保等により、廃棄物の減量化に努めなければならない。
3 事業者は、物の製造、加工、販売等に際して、資源化が容易な製品の開発を行い、その製品の資源化の方法を市民に周知し、再生資源(資源の有効な利用の促進に関する法律(平成3年法律第48号)第2条第4項に規定する再生資源をいう。)及び再生品を利用すること等により、廃棄物の資源化に努めなければならない。

第6条は事業者に課されている項目でした。給食における事業者とは?自治体?受託業者?

市民に課されているのは第5条。

(市民が行う廃棄物の減量化及び資源化)
第5条 市民は、使い捨ての商品及び容器、包装材等の使用を抑制するとともに、簡易な包装の商品、資源化が容易な商品等を積極的に選択すること等により、廃棄物の減量化及び資源化に努めなければならない。
2 市民は、資源化が可能な物を分別して排出するとともに、集団資源回収等の資源化を推進するための市民の自主的な活動に参加し、協力すること等により、廃棄物の減量化及び資源化に努めなければならない。

事業者がに課されていることの手伝いを市民である子どもがやるということですね。その根拠は第3条に記されています。

(相互協力)
第3条 市民、事業者及び市は、廃棄物の減量化、資源化及び適正な処理並びに地域の清潔の保持の推進に当たつては、相互に協力し、及び連携するよう努めなければならない。

この条例、最近できたわけではなくもう10年以上も前から施行されていますので、逆に「なんで今までやってなかったの?」という話になります。


と、過去に縛られていても仕方がないので前を見ましょう。

学校給食ニュースには「対応方法は学校によって違う」とあります。学校により、整っている設備等に違いがあるため、全校一律の方法を取ることは難しいのでしょう。

各学校でいろいろな検討がなされたと思います。

その結果、子どもの通う中学校では「各自で開いたものを係または当番が洗う」という方法を取ることになったのでしょう。

ここで思い出したのが以前書いたこちらの記事。


給食を食べていない生徒が給食当番をすることへの不満を持っている生徒に対しての学校からの解答は0点のものでした。ここにさらに牛乳パック洗浄が加わるとなると給食を利用していない生徒の不満はさらに大きくなるでしょう。

そして、いつ洗うの?という疑問も。

以前から、中学校での昼食の時間が短いという課題はあり、私たちも何度も学校給食課にも伝えてきました。この課題については今宮議員が最近Xに投稿しており、議会でも取り上げる予定だそうです。

「食べる時間が短い」ことへの対策として「昼休みも食べていい」としている学校は少なくないと思います。しかし、パック洗浄が入るとなると、当番の生徒は昼休みまで食べている生徒の「ごちそうさま」を待たなければならなくなります。昼休みにやりたいことがある当番の生徒は苛立つでしょうし、食べている生徒も焦ってしまいます。まだ食べたくても終わりにしてしまうかもしれません。そうなると残食が増えます。


あれ?パック洗浄の目的って「 ゴミの減量化」が目的でしたよね?


リサイクルをするのはいいのですが、その前に解決しなければならない課題を無視して「条例があるから実施します」。現状で困っている子どもや学校現場のことを考えずに一方的な通知を出し、「ご協力ください」って。

お願いするなら、こちらの要望も聞いてくださいよ、という話です。

そもそも、牛乳パックの洗浄を子どもにさせるのは市が予算を削減するためだということも、新たに作られる給食センター建設のための「要求水準書」への質問に対する回答から読み取ることもできます。

さて、ここで鵜野森中学校のブログを見てみましょう。

R8年度から始まる配膳給食完全実施に向けて、牛乳パックリサイクル回収を本校も行いたいと思います。

2年後の12月から始まる予定のセンター方式による給食。それを食べられるのは今の1年生だけです。そのために2、3年生もリサイクルに取り組みます、と言われてもなんとも微妙な気持ちになりそうです。


皆さんの学校では、牛乳パック洗浄はどのように行われますか?

子どもたちにはどのように伝わっていますか?

そして、お子さんはどのようなことを感じていますか?


気付いたことや疑問等がありましたら、ぜひ私たちにお聞かせください。


いくつかの小学校のホームページを見てみたら、牛乳パックの開き方の練習をした学校もあるようですね。
子どもたちや先生たちになるべく負担のない形でリサイクルが実施される事を願っています。

0コメント

  • 1000 / 1000