給食の「質」にこだわる中村議員。
写真 公式ホームページより
その1では「豚肉の等級」についてを取り上げました。
給食の残食率を減らすためにも、美味しい肉を使うことが必要ではないかとご発言されていましたので、私たちはその後数年分の残食率を確認したのですが、残念ながら残食率に大きな変化は見られませんでした。
中村議員って実はアイデアマンでもあり、市内産の食材の使用へのこだわりも強くあるのです。
2015年の会議録を見てみましょう。
2015年 3月定例会議 一般質問
◆中村昌治議員
小学校給食での肉の発注状況について伺う。小学校給食の食材発注は栄養士が行っているが、新鮮な食材を提供するためには、できる限り市内の食材を、市内産で準備できない場合は市内の業者にできる限り近くの食材を発注していただきたいと考えている。食材の一つである肉についてだが、横浜市の業者から多くの肉を購入しているようであるが、現在の発注状況について伺う。
◎教育長
食材は各学校や学校給食センターにおいて購入をしているが、新鮮で良質な食材の購入は重要であることから、市内事業者からの購入に努めている。本年度の給食に使用した精肉についてだが、昨年11月の1カ月間で見ると、約7,460kgを購入し、そのうち33%が市内事業者からとなっており、前年度同月期と比べますと5.3ポイント増加をしている。
◆中村昌治議員
市内にはブランド豚の香福豚など他市に誇れる商品がある。給食での活用について伺う。
◎教育長
本年度、市制60周年を祝い、11月19日と20日にさがみはら香福豚やさがみグリーンなどの市内産食材を多く使用した小中学校全校統一献立による、さがみはら大好き給食を実施した。今後も、イベント給食などを通して市内産食材を利用したおいしい給食を提供し、PRに努めてまいりたい。
◆中村昌治議員
最近、市内でイチゴが生産されるようになり、多くの方がイチゴ狩りを楽しんでいる。給食での生のイチゴの提供は、洗浄基準等でなかなか難しいと考えるが、加工してジャムやソースなどで活用ができると思うが、見解を伺う。
◎教育長
学校給食においては、衛生管理の面から、果実類は一つずつスポンジで表面の汚れを手洗いし、流水で3回以上の水洗いを行い、確実に洗浄する必要があることから、イチゴを生のまま使用することについては難しい状況。これまでもブルーベリーはジャムとして、津久井在来大豆はみそとして活用しているので、イチゴについても加熱することによる活用について検討してまいりたい。
その1で取り上げたのは2017年の質問でしたが、その2年前に相模原産の香福豚とイチゴの活用についてを質問していらっしゃいました。
この質問のあった2015年、イチゴに関してはこんな動きがあったようです。
その後今まで、相模原市の給食で市内産のイチゴが使われたと言う話は聞いていません。(検索しても見つけることができませんでした。生のイチゴを使用したイチゴ蒸しパンは出ていますが、市内産とは書かれていません)給食に相模原市内産のイチゴが使用されていない理由については、この後の質問と答弁を見ると分かるかと思います。
◆中村昌治議員
イチゴはまだまだ生産量が非常に少ないという現状がある。使いたいのになかなか使えないという意味では、イチゴの農家を少しふやしていく取り組みが必要ではないか。新たな特産品として売り出してはどうかと考えるが、市の考えを伺う。
◎経済部長
イチゴの生産農家については、昨年の8月に相模原市園芸連絡協議会の中にいちご部会が設立された。部会の名称をさがみはらいちご倶楽部として、今現在、3名の方が生産量をふやしながら新たな特産品に育てたいということで意欲的に取り組まれている。出荷先は、農産物直売所、ベジたべーなにおいて、朝摘みのイチゴとして大変好評で人気商品となっていると伺っている。(中略)イチゴはほかの農産物に比べると、非常に収益性が高いので、今後、生産農家が増加していくことが予測される。こういったことから、本市の新しい農産特産品として支援に取り組んでまいりたい。
この質問から4年。
中村議員は2019年にもイチゴについての質問をしています。
確認しておくと、2015年には「給食にジャムなどで活用できないか」という質問をしています。それを踏まえた上で、次の質問を見てみましょう。
◆中村昌治委員
ブランド化が高まれば、非常に高く販売できる。この間の日曜日の朝、テレビでイチゴが1粒1,000円とやっていた。やはりブランド化により収益性の向上が図られなければいけないと考えているが、そのために何か考えがあればお尋ねする。
◎農政課長
生産者の収益を上げる仕組みとして、その付加価値を高めるブランド化の取り組みは不可欠であると考えている。そのためには、まず高く売れるものをつくる、あるいは高く売れる場所で売る、価値を認めてくれる人、高く買ってくれる人に対してPRしていくことが重要であると考えている。
◆中村昌治委員
やはり有名な商品名になると、少しお金を出しても買いたいという気持ちになるのではないかと思う。
私は1粒1,000円のイチゴは買わないが、多分、妻には買ってくれと言われると思うので、夫婦間の中では買わざるを得ない状況になることもある。そういう欲しがるもの、ブランド力のあるものを育てていただきたいと思うので、よろしくお願いする。
一粒1,000円のブランドイチゴを生産する話になっていました。
給食に市内産のイチゴが登場する日はまだまだ遠そうですね。
さて、2015年の質問に戻ります。私が中村議員を「アイデアマンだなぁ」と思った発言のひとつです。
◆中村昌治議員
(「消費税増税などの影響で給食を1食245円で作るのには限界があるのではないか」と言う話をした上で)タイガーマスクからランドセルが届いたなんていう話は、お聞きになったことがあるんじゃないかと思うが、そういうお気持ちの方、たくさんいらっしゃると思う。それが企業であるのか個人であるのか、そんな方を少し募ってはどうか。例えば、500人規模の小学校であれば、5万円を特定の方、企業から提供していただくことによって、食材が100円プラス乗せることができる。きっとそういう方がいらっしゃると思うので、そんな仕組みをつくっていただきたいと思うが、見解を求める。
◎教育局長
小学校の児童が地域のことを身近に感じることができる給食を通して地産地消や食育を推進していくことは、心身ともに健全な成長をしていく上でも大変重要な学習の機会であるんではないかというように思う。そうした中で、今後、学校給食へのそうした仕組みの可能性を含め、学校や地域の方々にも御意見を伺いながら検討してまいりたい。
◆中村昌治議員
ぜひそういう前向きな捉え方をしていただいて、学校からというか、税金で出すことはしないという基本方針があるわけだから、それを貫きつつ、第三者から、スポンサー的な方から、例えばプレゼント給食というような名前でできる学校から進めていただきたいというように思っている。議員の中でも、今回で勇退される議員さんが何名かいらっしゃる。今までは公職選挙法の規定の中で、寄附をしたくてもできなかった。4月30日からは、この議員さんたちは寄附し放題ですね。地元に御恩返ししたいという気持ちがそれぞれ皆さん、いっぱいあるでしょうから、そういう方たちにアプローチをしてみるなんていうのもいかがかなというように思う。
全体を通して、今回の通告した内容というのは地域にある小さい事柄、イチゴについても市内でつくっているのを知らないという方もいらっしゃるし、橋本カステラもそうなのではないかと思う。こういうことを少しずつ積み重ねてPRをして、大きく育てていくというのが私たち議会の役目でもあるし、行政の役目でもあると思う。少しでも地産地消の食材を給食等に取り入れられるよう要望する。
プレゼント給食❗️❗️
良いアイデアだと思いませんか?!
さらにそれを引退を控えた議員に提案するとは!これは、中村議員が引退なさった時に相模原市の子どもたちの給食のためにどれほど寄付をしてくださるのか期待が膨らみます。中村議員の地元の小学校の今年度の児童数は約650人。一粒千円のブランドイチゴのプレゼント給食・・・きっと子どもたちも喜ぶでしょうし、相模原市のイチゴも注目されるでしょうね。
コロナの影響で売れなくなってしまった高級食材が給食で提供されるという動きがこの1年全国各地で見られましたが、何も余っている食材じゃなくてもいいんですもんね。寄付により高級食材を給食に取り入れる。それなら、量を減らすことなく「質」の高い給食を子どもたちは口にすることができますね。
一粒千円のイチゴの話題にちょっとびっくりしてしまって、思わず取り上げてしまいましたが、中村議員が数々の面白いアイデアを出すのは、給食の残食率を減らすためや、子どもたちに地元の食材に興味を持ってもらうため。給食をより良いものにしたいという思いをお持ちなことがわかります。
また次回も、中村議員が議会で出したアイデアをご紹介したいと思います。
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