議廻奇譚⑩ 中村まさはる議員(その1)

議廻奇譚10人目は中村まさはる議員です。

写真 公式ホームページより

5期目

会派:自民党相模原市議団

選挙時のパンフレットの下の方、小さな字ではありますが「教育」の分野に

小学校給食の単独校化推進と中学校給食の充実

とあります。

この選挙が実施された頃、相模原市では「小学校同士の親子方式」の導入が検討されていましたので、公約でそのことに触れる候補者は何人かいらっしゃいました。しかし、その多くは「自校方式の維持」という方向だったと記憶しています。しかし、中村議員は「単独校化推進」と表記。全国的にはセンター方式化が進んでいる中、よりよい学校給食を望む私たちにとっては喜ばしい公約です。

では、この2年間で中村議員が給食についてどのような発言をしているのか見てみましょう。


・・・と、相模原市議会会議録検索システムで「給食」で検索したのですが、この選挙後の発言は1回。それも、学校給食に関するものではなく、HACCPという食品衛生に関する質問の中で「給食」というワードが出ているだけでした。

残りの任期2年に期待しましょう。現在、センター方式の小学校も自校方式の給食に変えることで、中学校への親子方式の実現が可能になるなど、「中学校給食の充実」にも繋がると思いますので、中村議員を支持されている方はぜひ、ご本人にお伝えくださいね。


さて、それでは本題に入ります。

中村議員で私が最初に思い出すのが「豚肉の人」というイメージですので、その発言のあった会議録を見てみましょう。



2017年 12月定例会議 一般質問


◆中村昌治議員

昨年(2016年4月)、物価高騰等により給食費の値上げがなされた。値上げ分でより充実した食材の調達が可能になったと考える。少しでも新鮮な食材を使用し、おいしい給食とするため、現在、一部で使用されている肉等の冷凍食材をチルド食材として使用拡大することが望ましいと考えるが見解を伺う。


◎教育長

新鮮で良質な給食用食材の購入については大変重要なことと認識しており、学校や学校給食センターにおいて、市内業者からの購入に努めているところ。市内業者から納入されている食肉などのチルド食材は低温の状態で納品されることから、鮮度がよく、調理もしやすい食材となっている。各学校では、給食費の中でおいしく安全、安心な給食を提供するため、今後も引き続き新鮮で良質な食材の確保に努めてまいりたいと考えている。


ここで当時の給食費改定についての発表資料を見てみましょう。

『消費税の税率8%の導入、食材費の上昇等の影響を踏まえ、これまでの給食の「質」を維持できる給食費の検討を行った結果、次のとおり給食費の改定を行うこととなりました』

とあります。食材の質を挙げるためではなく、維持するための値上げであったことが分かります。

発表資料には、平成22年と平成27年の同じ献立での食材費の価格比較も掲載されています。

「食材調達の選択が偏りかねない厳しい状況」がよくわかります。中村議員は「値上げ分でより充実した食材の調達が可能になった」とおっしゃっていますが、その直前にご自身で給食費値上げの理由もおっしゃっています。

(こういうところに「議廻奇譚」のネーミングの由縁を垣間見ることができるのが、面白いのです。)

会議録に戻ります。


◆中村昌治議員

肉については、やはりチルドが望ましいと考える。一部冷凍肉も使用されているという状況があるが、使用状況について伺う。また、豚肉には格付があるが、給食で使用している肉の等級について伺う。 


◎教育環境部長

学校給食で使用している食肉については、生の状態で業者へ納入され、ひき肉や角切りなど、加工の形態によってカットしやすくするために冷凍している。学校への納品につきましては、半解凍もしくはチルド状態でお願いしている。また、学校給食では食肉の等級で並以上の格付のものを使用しており、等級の一番下にある等外品については含まれていない。


◆中村昌治議員

肉の規格については、全体の中で格付が上から極上、上、中、並、等外というように5つの分類に分かれている。極上については全体の0.2%、上については全体の49.3%、中が33.4%、並が12.5%、等外が4.5%というようになっている。上と中を含めた上の3つ、極上を含めた中で、もう83%近くの肉となる。したがって、並以上ということが一つの基準となっているが、並と等外では全体の中の下の17%しかないわけで、その全体の2割に満たない品質のものを実際、給食に提供しているということになる。一般的にお肉屋さんの店頭に並んでいる肉は、上もしくは中というように伺っている。やはり今後、並という格付でない上もしくは中を使用していくべきだと考えるが、見解を伺う。


◎教育環境部長

子供たちへおいしい給食を提供するためには、より質のよい食材を使用することが大切であると考えている。各学校での給食費の執行状況や栄養バランスも考慮しながら、より良質な食肉の購入に努めてまいりたいと考えている。 


◆中村昌治議員

若干、全体の量が減っても、品質の高いもののほうが多分、子供さん、おいしく感じると思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。


驚きの発言です。

給食の質を維持するのは何のためでしょうか。

そもそも、給食における「質」とは何でしょうか。

中村議員は「量が減っても品質の高いものの方が子どもは美味しく感じる」と考えているようです。

もちろん、給食には少しでも質のいい食材を使って欲しいです。しかし、それにより量が減るなんてことはあってはいけないでしょう。相模原市はなぜ「それはできない」と答弁しなかったのでしょうか。

そして、「給食費を値上げした分で質を上げられないか」という話だったはずですが、いつのまにか「量を減らす」という手段の提案に変わっています。ここにもまた、奇譚。


余談ですが、豚肉が冷凍ではなくチルドになったり、等級が上がったことに果たしてどれだけの子どもが気がつくでしょうか。

中村議員のホームページのプロフィールによると、中村議員はソムリエ級のワイン知識をお持ちだそうです。それほどの知識と舌を持っていないとわからないのではないでしょうか。


新聞にはこのように報じられていました。

※記事をお持ちの方に写真を撮らせてもらったものなので、紙名と発行日は不明ですが、この議会直後であったことは確かです。


新聞にあるように、この日の議会では、他にも市内産の食材のことや、デリバリー給食の汁物について、それからそれから…まだまだ皆さんにお伝えしたい発言がたくさんありました。

中村議員が公約に掲げている「中学校給食の改善」とは、そういうこと?!というヒントになるかと思いますので、また次回お伝えしようと思いますが、ご興味がありましたら、上記動画のリンクまたは、こちらの会議録をご覧になってみてください。


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