2026年度から、相模原市では小学校の給食費が無償となりました。
そして、さまざまな理由で給食を食べることができないお子さんのいるご家庭にも「給食費相当額」が支給されることとなったことを前回の記事に書きました。
相模原市は食物アレルギーや不登校等だけでなく、宗教上の理由などによって学校給食を食べることができない児童も支給の対象としています。このことについて、疑問を持つ方もいらっしゃるかと思いますが、宗教などの理由にかかわらず、給食を利用できないすべての子どもを、給食費(昼食費)の支援から取り残さないこと がとても大切な考え方だと思っています。
「宗教を特別扱いしてほしい」という話ではなく、むしろ、特別扱いをしないための考え方です。
学校給食を食べない理由は、一人ひとり違います。
- 食物アレルギーがある子ども。
- 持病により食事に制限がある子ども。
- 不登校などで学校給食を利用していない子ども。
- 宗教上の理由から、学校給食を食べることができない子ども。
理由は違っても、そこには、「学校給食を利用できないため、給食費の無償化による恩恵をそのまま受けることができない」という点では共通しています。
だからこそ、支援の基準は「その子がどんな宗教を信じているか」ではなく、給食を利用していないという客観的な状況に置くことが望ましいのではないでしょうか。
日本国憲法20条は、
信教の自由は、何人に対してもこれを保障する
と定めています。
これは、特定の宗教を優遇するための規定ではありません。
どの宗教を信じるか、あるいは信じないかにかかわらず、一人ひとりの信教の自由を保障するためのものです。
行政が行う給食費支援においても、
「この宗教だから支援する」
「この宗教だから支援しない」
という考え方ではなく、宗教の種類や有無に左右されない制度であることが大切です。
宗教を理由として給食を食べない子どもに対して給食費相当額を支給することは、特定の宗教への「優遇」ではありません。その子どもが、他の子どもと同じように給食費の負担軽減の対象となれるようにするためのものです。
そして、もうひとつ大切なこと。
相模原市には「相模原市人権尊重のまちづくり条例」があります。
この条例は、
一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、互いの人権を認め合う共生社会の実現
を目的としています。
そして、条例では「不当な差別的取扱い」を、正当な理由なく、人種、民族、国籍、信条などの属性を理由として、財やサービス、機会の提供を拒否したり、条件を付けたりすることなどとしています。
ここでいう「信条」には、宗教上の信仰などが含まれます。
また、市には、あらゆる施策の策定・実施に当たって、「人権尊重の視点をもって取り組むこと」が求められています。
だからこそ、給食費支援についても、
「その子どもが、なぜ給食を食べていないのか」
だけで線を引くのではなく、
「給食を利用できない子どもを、どうすれば取り残さずに支援できるか」
という視点が必要になるのだと思います。
給食費の負担軽減は、子どもたちの生活を支えるための施策です。
だからこそ、
「アレルギーなら対象」
「病気なら対象」
「不登校なら対象」
「宗教なら対象外」
というようになんらかの理由で支援の有無を分けるのではなく、
給食を利用できない子どもには、その理由にかかわらず、等しく昼食費の支援が届く制度
であってほしいと私たちは考えます。
宗教上の理由で給食を食べないことを「特別扱い」するのではありません。
アレルギーの子も、不登校の子も、宗教上の理由がある子も、その他の事情で給食を利用できない子も、「給食を利用していない子ども」という同じ視点から支援することが、特定の宗教を優遇することなく、すべての子どもの人権を尊重する制度につながるのではないでしょうか。
相模原市が掲げる「一人ひとりが、かけがえのない個人として尊重され、互いの人権を認め合う共生社会」という理念から考えても、私たちは、宗教等にかかわらず、すべての子どもを給食費(昼食費)支援の対象とすることは不自然なことではないと多くの方に理解していただきたいと思っています。
子どもたちが、どんな家庭環境や信条のもとで暮らしていても、「自分だけは対象外なんだ」と感じることのない制度であってほしいと願っています。
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