10月5日、横浜市のデリバリー給食の食材として納入されたカットじゃがいもにタバコ(の吸い殻?)が混入するという事件がありました。
横浜市の発表資料はこちら
給食における異物混入といえば、調理機材の破片や部品、食材の梱包材の一部といった給食室にあってもおかしくないものか、虫や髪の毛などそこらへんにあってもおかしくないものが主なもので、タバコの吸い殻という「あったらおかしいもの」が混入してしまったことにまず驚きました。(タバコ混入の事例自体はこれまで全くなかったわけではありません)
子育てを経験した方なら、タバコの誤飲は命に関わることであることはよくご存知かと思います。道端に落ちているタバコの吸い殻を子どもが拾ってしまって焦った、なんて経験をしたこともある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのような危険なものが給食の食材に混入していることが確認されたにも関わらず、当該食材も含めて盛り付けされたデリバリー弁当を生徒たちの元に提供したという横浜市の対応には非常に驚きました。
その後、原因究明や対応策が発表されるのを待ちましたが、結局原因究明には至らず。
いくつかの再発防止の対策が発表されていますが、原因がわからないものをどうやって防ぐつもりなのでしょうか。私はこの件はすぐに警察に通報の上、調査をするべきだったのではないかと思っています。
この事件はたまたま横浜で起きたことであって、相模原で起きていてもおかしくないことです。では今回の横浜市と同じようなことが相模原市で起きた場合、どのような対応をすることになっているのでしょうか。気になりましたので、相模原市に問い合わせてみました。
質問要約
- 横浜市の給食にタバコが混入したが、同様のことが相模原市でも起こった場合の対応を詳しく知りたい
- 同様の事件を起こさないために取っている対策を知りたい
回答要約
- 「学校給食における異物混入対応マニュアル」に沿って対応をしている
- 給食提供前に異物が発見された場合はその時点で学校給食課へ連絡、学校給食課が対応を判断する
- タバコのような「危険異物」の混入が発見された場合には献立変更(一部提供中止)または給食の提供を中止する
- デリバリー給食は早朝調理だが、相模原市は早朝であっても対応可能
- 異物混入防止対策としては、調理事業者、食材納入業者への巡回・指導を行っている
(質問と回答の全文は文末に掲載します)
相模原市の場合、危険異物の提供がされないようにマニュアルに沿った対応を取るようにしてあり、調理時間に関わらず教育委員会と連絡が取れる態勢が用意されているという回答に安心しました。
危険異物の混入が判明した場合には献立変更(一部提供中止)とありますが、自校方式の小学校であれば、急遽別の食材の納入の手配をして対応することも可能な場合もあると思いますが、デリバリー方式やセンター方式で同じ食材が大量に必要となる場合に代替メニューに変更することは難しいのではないかと思います。また、アレルギー非対応のデリバリー給食では、献立や食材表を見て「食べられる日だから」という理由で給食を注文している生徒もいますので、代替品にアレルギー食材が使われていた場合に大きな事故につながる可能性もあります。(選択制デリバリー給食実施自治体の中学校の先生は小学校ほどアレルギーに敏感ではない気がしています)そうなると、献立変更というよりも一部提供中止となる可能性が高いでしょう。下手すると、主食と牛乳のみの提供という自体にもなりかねません。お弁当を持ってきている生徒はお腹いっぱい食べられて(食べる時間の短さはここでは横に置いておいて)、デリバリー給食を注文している生徒はほとんどお昼ご飯を食べられない、なんてことが起きてしまいます。
相模原市の異物混入の対応は「横浜市と比較して」安心できるものであることが確認されましたが、より安全・安心なものにするためには、やはり少しでも小さな給食調理場であることを求めていく必要があると感じました。
学校給食課からいただいたメールは
今後とも相模原市の学校給食につきまして、温かく見守ってくださるようお願いいたします。
という言葉で締めくくられています。
「はい、しっかり見守らせていただきます」とここでお返事させていただきます。
質問全文
10月5日、横浜市でデリバリー給食の食材として納入されたカットじゃがいもにタバコが混入していたという報道がありました。
午前4時に混入が確認されたものの、調理業者と教育委員会の連絡が取れたのが午前9時近くだったとのこと。さらに、すでに盛り付けが完了していたため、当該食材を使用した粉吹き芋を含めて給食が生徒に提供されたといいます。
あってはならない事ですが、万が一相模原市で同様の異物混入が生じた場合、どのような対応を取る事が定められているのかなるべく詳しく教えてください。
また、このような事件が発生しないために取っている対策等があれば教えてください。
回答全文
相模原市の学校給食では、給食で異物混入事故が発生した場合、令和2年4月に策定された「学校給食における異物混入対応マニュアル」に沿って対応をしております。
今回横浜市で発生したケースのように、給食提供前に異物が発見された場合は、その時点で調理事業者から学校給食課へ連絡し、学校給食課が給食提供含め対応を判断するという流れになります。
具体的には、取り除ける非危険異物や原料由来のものの場合は原則として除去後提供となり、今回のたばこのような危険異物や取り除けない異物の場合は、献立内容の変更(一部提供中止)又は給食提供中止を判断することになります。
なお、デリバリー方式の学校給食は調理時間が早朝となるため、早朝に判断が必要となった場合にも連絡できる体制となっており、早朝であっても対応が可能な状態にしております。
また、異物混入防止対策として、調理事業者に対しては物資納入時における検品作業を確実に行うよう指導する他、定期的に現地調理場への巡回を行い、異物混入のリスクがあると判断された作業工程についてはその場で指導を行っています。納入物資については納入業者に対し、食品衛生法を順守した形での環境衛生の整備及び食品衛生管理の実施について、巡回等を通して指導をしております。今後とも相模原市の学校給食につきまして、温かく見守ってくださるようお願いいたします。
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