議廻奇譚、8人目は小野弘議員です。
相模原市議会ホームページより
3期目
会派 自由民主党相模原市議団
加山市長時代の「相模原駅前にシンボルとなるタワーを中心としたまちづくりの提言」、「淵野辺駅南口の再整備」などから、どちらかというとハード寄りの印象を私たちは小野議員に対して持っています。
そんな小野議員のこれまで議会での給食に関する発言は市民文教委員会で3回(25年26年当時は文教委員会)。内容はアレルギー対応、給食室ウェット式からドライ式への変更について、給食センターの災害時利用についての質問でした。
中学校給食については 平成30年(2018年)3月9日の市民文教委員会で、中学校完全給食推進事業について質問しています。(4:21:45頃〜)
◆小野弘委員 予算書234ページの学校保健費の中学校完全給食推進事 業に関して伺う。デリバリー給食を実施し8年間たったと思うが、その総括と今後の取り組みについて伺う。
◎荒井学校保健課長 総括としては3点ほどあると思う。1つ目は、弁当を持参できない生徒に給食が提供できる体制ができたこと。2つ目は、栄養バランスのとれた給食の提供と9年間の食育の推進によって子供たちの成長に大きく寄与できたこと。最後に、保護者の負担軽減と利便性の向上が図られたものと考えている。以上のことから、平成22年度からスタートした中学校給食は非常に重要な役割を果たしたものと考えている。今後もさまざまな取り組みを通じて、栄養バランスのとれた給食を一人でも多くの子供たちに提供していきたい。
◆小野弘委員 この8年間で最初のころの喫食率の低さも改善してきており、御飯が温かくなったり、汁物がついたりということでおいしくなっていると思う。ただ、富士見小学校から中央中学校に上がったお子さんの保護者の方から、給食がおいしくないということで、並んでいる小学校から中学に給食が提供できないのかという要望があった。このような点について見解があれば伺う。
◎荒井学校保健課長 中学校完全給食実施方針の中で、将来的な実施方式として、いわゆる親子方式を含めて、地域特性や今後の学校環境を踏まえた中で検討することとなっている。したがって、本市にふさわしい給食の提供方法については、市民の意見を伺いながら研究していきたい。
◆小野弘委員 先日、テレビで大阪市の親子方式の取り組みをやっていたが、随分評判がいいということで、今後はそちらの方向に行くという話だった。これから先の課題として取り組んでもらえればと思う。
次に、同じく中学校完全給食推進事業についてだが、先ほど子供の貧困対策として給食支援を開始したという話があったが、どのような支援内容で、今後、具体的にどのように対応していくのか伺う。
◎荒井学校保健課長 昼食状況の調査をしたところ、家庭の事情で毎日昼食を食べていない生徒が数人いるということが判明した。学校ではおかわり用の御飯をその生徒たちに提供して対応していたわけだが、調査後は教育委員会が臨時的、緊急的な措置として、各学校に配布している予備食を公費で負担し、この生徒たちに提供している。また、こども・若者未来局とも連携し、学校を通じて子ども食堂の場所等の情報を送っている。いずれにしても、緊急的、臨時的な措置ということで、平成30年度には正式な制度を立ち上げ、こうした生徒を支援していきたい。
◆小野弘委員 ぜひこの支援制度を立ち上げて、支援をお願いする。
自民党の小野議員が「デリバリー弁当の改善を」というのではなく「親子方式」に注目して働きかけていたことに驚きました。
でも、「この8年間で最初のころの喫食率の低さも改善してきており」という小野議員の言葉が気になります。喫食率は給食開始から下がり続けています。
令和2年度 学校給食あり方検討会資料
小野議員の質問は平成30年、給食開始直後の減り方に比べれば下がり方は緩やかになっていますが、それは「改善」と言えるものでしょうか?私たちはそう思いません。言葉の選び方でこの問題の重要性、優先度も変わってきてしまうような気がして心配です。下がり続けている、温かい汁物や冷めてもおいしい献立づくりなど様々な工夫をしても喫食率が上がっていないという現状を改めて確認していただきたいです。
さて、質問に出てきた「富士見小学校から中央中学校に上がったお子さん」とその保護者の方からは、その後意見や要望はなかったのかも気になります。中学は3年間と短いので、給食に不満があっても卒業してしまうと問題意識が途切れてしまう、継続しないことも給食が変わらない要因の一つだと思っています。
小野議員は公約に「豊かな学びを得られる教育都市」「子育て応援都市」を挙げています。その中には「奨学金、就学支援制度の充実」という言葉もあります。
相模原市では小中学校とも給食が就学支援の対象になっています。みんなで同じものを食べる小学校と違い(こちらには保護者が集金をしている学校がある問題もあります)、喫食率の低い選択制デリバリー給食の中学校では「給食を食べている=経済的に困っていることが見えてしまう」ことにつながる心配があるのです。小野議員はこのことに気がついているでしょうか?
制度として支援対象になっているからよしではなく、その内容をしっかり確認してほしいものですが、検索してみると小野議員は議会で「就学支援」についての発言はしていないようです。
公約に期待して投票した市民のためにも、なにより中学生のためにも、小野議員には市民文教委員会ではない時でも引き続き中学校給食改善への働きかけを期待します。
*おまけ
この日の市民文教委員会、小野議員の質問の前は給食に力を入れていた江成議員でした。現職ではない方達の給食への取り組みもあって実現したデリバリー給食。その流れなども追ってみたいものですがなかなか余裕がありません。今のことではないけれど、どうやって話し合われてきたのか、どうやって決まってきたのかを知ることには意味があると思っています。いつか記事にできたら…。
**おことわり
この議迴奇譚シリーズで扱っているのは、相模原市議会会議録ページで公開されている範囲のものです。平成25年(2013年)以降、令和2年(2020年)12月までの会議録の範囲です(令和3年4月時点)。今年のものは議会の通告をチェックしていますが、会議録がアップされるまでは2ヶ月ほどかかるようです。
議会中継録画は、会議の翌日にはホームページにアップされているのでほぼ最新のものが見ることができます。以前よりアップされるのが早くなり、ありがたいです。
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